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秋は何色、何の色?

yoshii

いつの間にか 雲が高くなって
秋の気配を感じるようになりましたね、
一年の中で 一番大好きな季節
でも同時に一番忙しなく、急ぎ足で過ぎてしまう七五三シーズンスタートでもあります。

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藤代のお庭 には
まだ夏に茂った雑草が残っていますが
秋草も増えだして 涼しくなる準備に入りました。

数年前から何処からともなく やってきたのか、ススキが茂るようになって
これからの撮影に一役 かって下さいます。

こういったススキや秋草の薄茶や黄色をベースにした
和色名で言う所の芥子色や刈安色 鬱金色 (うこんいろ) 朽葉色
そして秋色と言ったら
紅葉の、赤をイメージする事も多いですね、
赤色にも沢山のお色がありますが、その一つに緋色(ひいろ)
あけ、とも言います、
やや黄色味のある鮮やかな赤色の事。
多年草の茜の根を染料としたお色ですが、よく言う茜色と言ったら この緋色よりも暗い赤色をさします。

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茜色と言えば、私の昔話ですが、二十歳になる少し前、
はじめて 叔母に連れて行ってもらった根津にある スナック モレイラ。
そこで ブラットオレンジにジンベースでオリジナルのカクテルを作って頂きました
名前は、?と聞くと「茜色の、」と言うマスター。
以後 そこに一人で通っては「茜色の、」と注文をして 恋話しや仕事の悩みを聞いて頂きました
茜色の、、、私にはこの色が大人の入り口だったように思えて
今だに この色を口にすると 甘酸っぱさのような当時の感情を思い出したりします。

10257041_709859695739304_7768991730583736050_n.jpg茜の根 1904143_673492139376060_2145477714_n.jpgクチナシの実

それから もう一つ クチナシ
藤代のお庭にも沢山咲きますが 子供の頃 実家の庭にもありました、
青虫が沢山つくのが嫌でしたが あの甘い香りがしだすと季節の変わり目を感じたものでした、
父がよく クチナシの花の歌をテープでかけていましたから、
印象深い お花の一つでもありました。
このクチナシ 以外にも染料としては 朱ではなくて 赤みがかった濃い黄色なのですよね、
お正月の栗きんとんのお色ですね。

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茜の根 煮汁は綺麗な茜色ですが染色をする時は 何をプラスするかで発色が変わってきます。


昔の方はこう言った季節の色を衣服に取り入れて お洒落を楽しんでいました、
'襲色目'と言う平安時代 装束の伝統配色があります。
なんとも美しい比喩表現が並んでいます、
和色の多さ そして趣のある楽しみ方
参考になるので ちらっとでも 機会がありましたらご覧になってみて下さい。

1239844_580405018684773_316180329_n.jpg豪徳寺スタジオのお庭では ミョウガが収穫出来ます

秋の色のお話をなんて思って書いてみましたが、
懐かしい秋の写真を思い出しました。
娘との思い出写真。

10714221_794866823905257_8869948905743668478_o.jpg写真・猫物語

とりあえず 沢山沢山 歩いてみたら
きっとそこらじゅうで感じるでしょう、秋の色。
私は 芥子色のシャツを新調しようかと思っています。
今年も秋色にプラスして、様々なお色の着物を纏うお子様達にお会いする準備です。